ローカル環境で動作するAIが生成する、統計的にありうる人生を生きるゲーム
2026
《ありうる人生たちのゲーム》は、ある個人の人生における選択を、始まりから終わりまでたどる作品です。プレイヤーは、その人の人生における結婚や就職といった大きな岐路で選択を重ね、その決断がもたらす結果を最期まで体験します。ひとつの人生が終わると、プレイヤーは過去の分岐点に戻り、異なる未来へとつながる別の道を選ぶことができます。ゲーム内で起こる出来事の文章は、筐体内でローカルに稼働する、オープンソースの大規模言語モデル「Gemma 3」をベースにしたモデルが、社会の統計データを参照しながらリアルタイムに生成しています。
社会の膨大なテキストデータをもとに作られた大規模言語モデルが生成する世界には、不条理や偏見も含め、現実社会の構造や価値観が反映されることがあります。統計を基にAIが描き出す「もっともらしい人生」は、私たちの社会に共有された価値観や偏りを、どのように映し出しているのでしょうか。
森美術館で開催された「六本木クロッシング2025」の展示で公開された「他人の人生モード」では、プレイヤーは現代日本に統計的に存在しうる「誰か」として、ひとつのありうる人生を遊ぶことになります。その人物の年齢、性別、所得、就労状況、婚姻状況、国籍などは、国勢調査をはじめとする日本の統計データに基づく分布を反映して決定されます。プレイヤーは、統計上ありうる条件をもった「誰か」の人生を、自分の選択としてたどっていきます。
→ゲームについての詳細
※本作の画像は、ピクセルアーティスト達が自ら開発した画像生成モデルによって作られています。学習のデータには、コミュニティの作家たちが利用を許諾し、報酬を受け取っている画像が使われています。







Exhibition
森美術館 : 六本木クロッシング2025展
時間は過ぎ去る わたしたちは永遠
2025.12.3(水)- 2026.3.29(日)
キュレーション:
レオナルド・バルトロメウス(山口情報芸術センター[YCAM]キュレーター), キム・へジュ(シンガポール美術館シニア・キュレーター), 德山拓一(森美術館シニア・キュレーター), 矢作 学(森美術館アソシエイト・キュレーター)
Credits
コンセプト, ゲームデザイン, ビジュアルデザイン:木原 共
開発:木原 共, 大河 遼太(Polygoose Studio)
サウンドデザイン:東 匠, seadenden
欧文書体製作:永尾 仁
編集協力:白米 航
画像生成モデル提供 : コーディー・クラウス、ブランドン・ネリ
電子回路設計協力 : 阿部 香穂
筐体デザイン:木原 共
筐体製作:国部 優介 (ゆくい堂株式会社)
左官:有限会社 八幡工業
素材協力 : アイカ工業株式会社
写真:河内 彩